初作品

武盾一郎・吉崎タケヲ 合作 / 西口地下広場(参照)
新宿西口地下道段ボールハウスペインティングのデビュー作。
最初、地下道の段ボールハウス群に絵を描こうとは微塵も思わなかった。新宿の何処かでゲリラ的にストリートペインティングをしようとしたのだ。オレは「TAKEWO」とペンキをかついで新宿を歩き回った。しかし、一見自由そうに見える大都会もゲリラペインティングが出来そうな所は見つからなかった。さんざん捜し回ったけど、この街はやっぱりシステマティックだった。意気消沈してオレたちはあてもなく彷徨ったのだ。
希望を失い、呆然と新宿に立ち尽くした。街は巨大で威圧的だった。絶望感に覆われながらフラフラと人の流れに任せていたら、オレたちはいつの間にか新宿西口地下道の段ボールが連立する村に辿り着いたのだ。そのまま、ふらふらと吸い込まれるように一軒の段ボールハウスに近付き、そのまま段ボールの扉を「パスッ、パスッ」とノックしたのだ。
「なんじゃい」
中からはがたいのいい恐そうなオッチャンが顔を出した。
「絵を描いてる者ですが、あなたの段ボールの家に絵を描かせて貰えますか?」
「なんじゃい?」
「ですから、段ボールハウスに絵を描かせて欲しいんです」
「なにぃっ!」
「・・・」
「あっ、いいよ、描け」
そう、こうして段ボールハウスペインティング活動の幕は切って落とされたのだ。オレたちは
夜から朝にかけて、「TAKEWO」と二人で2軒の段ボールハウスに絵を描いた。
夜中は人の叫び声とガラスの割れる音が遠くから聴こえ、数十分おきにパトカーと救急車のサイレンの音が地下道に響き渡っていた。
真夏の夜、大都市のアンダーグラウンド(地下道)からオレたちの「反逆」は始まったのだ。
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